1936年にモンゴメリー・ウォードのデパートとして建設され、後に地域劇団「トライアド・ステージ」の本拠地として使われていたこの建物が、今、最もエキサイティングな新たな章を迎えました。ノースカロライナ州グリーンズボロのダウンタウンに位置する収容人数1,000人のライブ音楽会場「The Pyrle(ザ・パイル)」は、地元のインテグレーターであるAudio & Light社が設計・施工したMeyer Soundのシステムを導入し、2026年初頭にオープンしました。

一貫性を追求した設計

小売店から劇場へと姿を変えてきたこの空間は、90年近い建築の歴史を刻んでおり、驚くほど優れた音響的ポテンシャルを備えています。しかしながら、天井が高く幅が狭い形状であるため、拡声にあたっては従来とは異なるアプローチが求められました。「前方から後方までカバーするのに十分な高さを持つラインアレイを設置しようとすると、ステージ上の低い位置までスピーカーが下がってしまい、マイクの配置に問題が生じる上、側壁への不要な反射も増えてしまいます」と、Audio & Light社のインテグレーション・サービス担当副社長であるブライアン コックス(Brian Cox)氏は語ります。「ULTRAファミリーがもたらすパフォーマンスを考慮すると、分散型のデザインこそが正しい答えでした」

システムは合計26台のスピーカーで構成されています。メインとして2台のULTRA-X82とダウンフィル用のULTRA-X20、センターフィル用ULTRA-X40、中二階席下をカバーするULTRA-X20XP(8台)に加え、スタジアム席、VIPエリア、フロントフィル用にULTRA-X20およびULTRA-X20XPのディレイ スピーカーが追加されています。低域の補強には新登場のハイパワー サブウーファー「USW-121P」が2台採用され、ザ パイルにて地域初のデビューを果たしました。システムはNebraソフトウェアおよびGalileo GALAXYネットワークプラットフォームによって管理されています。

すべての席で「最前列」のような体験を

劇場や映画制作の経歴を持つザ パイルのゼネラル マネージャー、ドミニク アメンダム(Dominick Amendum)氏は、会場全体で音の一貫性が保たれている点にすぐに感銘を受けたと語ります。「一般的なライブハウスで見られるような従来のラインアレイを採用しないという決断に、私はとてもワクワクしました」と彼は言います。「多数のディレイスピーカーを駆使したこのシステムのおかげで、空間全体で音を体感することができます」

「上層階の客席の隅から会場の奥に至るまで、どの場所でも音の均一性が際立っています」とアメンダム氏は語ります。「どこにいても最前列のような体験ができるというのは、実に素晴らしいことです」

このシステムは、ツアーで訪れるプロのエンジニアたちからも高く評価されています。コックス氏は、一見して最初は懐疑的な様子を見せていた乗り込みのFOHエンジニアが、実際にシステムでミキシングを行った後に「これまでミキシングした中で最高のPAシステムだ」と称賛したエピソードを振り返ります。

アメンダム氏によると、グラミー賞受賞アーティストたちがサウンドチェック中に手を止め、この会場の音の良さに感嘆の声を上げたと言います。「アーティストが意図した音をそのまま観客に届けること以上に、彼らを大切に思っていることを示す方法があるでしょうか?」と彼は語ります。「音が濁ることも、歪むこともありません。実にピュアなサウンドなんです」