毎年、スタッフたちはテルライド映画祭のために、タウン パーク パビリオン内のホッケー リンクを650席の「ヴェルナー ヘルツォーク シアター(Werner Herzog Theater)」へと変貌させます。2026年9月4日から7日にかけて開催された第53回映画祭において、この仮設映画館は59台のMeyer Soundスピーカーで構成されるDolby Atmosシステムを新たに導入しました。5台のASTRYA-140スクリーン チャンネル スピーカーがシステムの核となり、テルライドでのASTRYAデビューを飾りました。同映画祭との提携が26年目となるMeyer Soundは、「ギャラクシー シアター(Galaxy Theater)」および「パーム シアター(Palm Theater)」にもシネマ サウンドを提供しました。

ヘルツォーク シアターでは2013年の開設以来 7.1chシステムが使用されてきました。設計と現場での設営を指揮したMeyer Soundのシネマ&レジデンシャル担当プログラム マネージャーであるジェイ ワイアット(Jay Wyatt)は、近年映画製作者たちからDolby Atmosに関する要望が寄せられていたと語ります。「需要がますます高まっていたため、今年が実施するのに良いタイミングだと感じました」と彼は説明します。「また、このプロジェクトに実に適した新しいスクリーン チャンネル スピーカーが用意できたことも理由の一つです」

「ASTRYAは、卓越したリニアリティとダイナミック レンジにより、ダブ ステージと映画館の架け橋となるよう設計されました」とMeyer Soundのシネマ マーケティング ディレクターであるマーク メイフィールド(Mark Mayfield)は語ります。「ヘルツォーク シアターにおいて、それらの特性は、音響的に極めて厳しいアリーナ空間を、制作者の意図通りに各サウンドトラックを表現できる驚くべき再生環境へと変貌させる上で、大きな役割を果たしました」

ネットワーク オーディオが施工を効率化

ワイアットのチームは照明やその他のクルーと並行して作業を行い、わずか3日間で音響システムの設置を完了させました。従来の7.1chシステムが8チャンネルの信号を37台のスピーカーに送っていたのに対し、Dolby Atmosの設計では50系統の独立したプロセッサー出力から59台のスピーカーへ信号を配信する必要がありました

「チャンネル数が大幅に増えたことで、ヘルツォーク シアターでの配線戦略を見直し、ネットワークオーディオによる信号伝送を採用することにしました」とワイアットは語ります。「何本もの長いアナログ マルチケーブルやブレイクアウトが必要だった作業が、1本のCat(LAN)ケーブルで実現できましたASTRYAがネットワーク オーディオに対応していることを考えれば、極めて合理的な選択でした」

ヘルツォーク シアターの約14m のスクリーンは5つのスクリーン チャンネルを必要とする幅があるため、レフト、レフト センター、センター、ライト センター、ライトの各位置にASTRYA-140が配置されました。各キャビネット上部に統合されたリギングポイントにより、クルーはモーター付きトラスからスピーカーをフライングることができました。これは過去に同シアターで使用されていたAcheronスクリーン チャンネルからの進化です。「過去に導入していたAcheronは、フライングするために特注加工をした金物を使用しており、決して洗練されたソリューションとは言えませんでした」と語るワイアットは、開発段階で【映画祭のような稀な機会にも備えて】ASTRYAをフライング可能にするようMeyer Soundのエンジニアリング チームに要望していました

また、ASTRYAに搭載されたGEN-1テクノロジーは、ネットワーク経由で状態情報やテレメトリデータをブースのダッシュボードに送信できるため、オペレーターはフライング配置されたスクリーン チャンネルのトラブルシューティングを遠隔で行うことができました。サラウンドには22台のHMS-12シネマ サラウンド スピーカーと、ワイド サラウンド位置に2台のULTRA-X40ポイントソース スピーカーが配置されました。オーバーヘッド サラウンドは4台のULTRA-X40と12台のULTRA-X23ポイントソース スピーカーで構成されましたGEN-1テクノロジーとネットワークオーディオの機能は、ワイドおよびトップ・サラウンド位置で使用される多数のULTRA-X40やULTRA-X23スピーカーにも同様に適用されました。

サブウーファーで低音を観客席に向けて放射

高周波の反射を抑えるため、スケートリンク内にある客席エリアは、分厚いカーテンを二重に張って囲まれていました。アリーナの残りの部分は、倉庫や配電設備として使われていました。「スクリーンの後ろにある広々とした開放空間に低周波のエネルギーが流れ込み、そこを跳ね回って好き勝手に振る舞い、遅れて会場に戻ってくるような事態は避けたかったのです」とワイアットは語ります

10台のX-800Cシネマ サブウーファーが5台ずつ2列に配置され、カーディオイド エンドファイア アレイとして構成されました。このアレイにより低域エネルギーは観客側へ向けられ、背後への出力は大幅に減衰されたため、客席内でのタイトな低音域が維持されました。フライング配置された4台の900-LFC低域コントロール エレメントは4つのゾーンに分けた低音管理を実現し、音源が会場内を移動しても低周波の音色が一定に保たれるようにしました

「多くの映画祭ではDolby Atmosを採用しないか、採用するとしてもすでに固定設備として導入されている会場を使用するのが一般的です」とワイアットは言います。「これほど複雑なAtmosシステムを仮設のライブ会場で実現できたことは、非常にやりがいのある挑戦でした」

「Meyer Soundとの26年間にわたるパートナーシップをこれ以上なく誇りに思います」とテルライド映画祭のディレクターであるジュリー ハンツィンガー(Julie Huntsinger)氏は語ります。「Meyer Soundの専門家たち、そしてエンジニアリングを新たな高みへと引き上げてくれた熟練のプロダクション&テクニカル チームと協力したことで、タウン パークのハンリー アイス リンク(映画祭のヴェルナー ヘルツォーク シアター)は、ASTRYA-140スクリーン チャンネル スピーカーとDolby Atmosイマーシブ サウンドを備えた見事な21世紀の映画の殿堂へと生まれ変わりました。優れた技術、熟練の技、そして揺るぎない決意があれば、高地の仮設設営であっても素晴らしい技術的マジックを実現できることが再び証明されました。実にスリリングな素晴らしい映画祭となりました!」