Meyer Soundはデヴィッド ゲフィン ホールにTIGRAラインアレイ システムを納入し、同劇場のオフィシャル サウンド パートナーに就任しました。デヴィッド ゲフィン ホールは、TIGRAを導入した世界初のコンサートホールです。
デヴィッド ゲフィン ホールは、リンカーン センター フォー ザ パフォーミング アーツ(Lincoln Center for the Performing Arts)がニューヨーク フィルハーモニー(New York Philharmonic)と提携して、所有・運営しています。米国で最も歴史のある交響楽団であるニューヨーク フィルハーモニーはこのホールを拠点としており、リンカーン センターの64,800平方メートルのキャンパス内にある11の芸術団体の一つです。
このホールは、世界中の音楽、映画、ダンス、オペラ、演劇の文化的な中心地として機能しており、オーケストラ演目、合唱公演、リサイタル、セミステージ 形式オペラ、ダンス、映画のプレミア上映、そして音響設備を駆使したポップスやロックのコンサートに対応しています。ニューヨーク市で最も多忙なステージの一つであり、同日に異なる種類の公演へと会場設営を切り替えることも可能です。
新たな基準の追求
ニューヨークの地域社会と常駐オーケストラに貢献するため2022年に改修されたデヴィッド ゲフィン ホールは、音響システムにおいても同様に高い基準をもたらすことを目指しました。「ホール内のすべての座席で豊かな拡声音響体験を届けることには大きな課題がありました」とリンカーン センター フォー ザ パフォーミング アーツの執行副社長兼最高執行責任者(COO)であるダーレン ロバートソン(Darren Robertson)氏は語ります。
ニューヨーク フィルハーモニーの社長兼CEOであるマティアス タルノポルスキー(Matías Tarnopolsky)氏とロバートソン氏は、ジョン マイヤー(John Meyer)およびヘレン マイヤー(Helen Meyer)との対話を開始し、リンカーン センターの代表団がカリフォルニア州バークレーを訪問しました。チームはすでにジャズ アット リンカーン センター(Jazz at Lincoln Center)に導入されていたシステムを通じてMeyer Soundに親しんでおり、訪問はLEOPARDラインアレイのデモンストレーションから始まりました。黒い布の下には、訪問者たちがその存在を知らなかったもの、すなわち開発中のラインアレイ用キャビネットの初期プロトタイプが隠されていました。その時点からTIGRAが話題に上り始めたのです。「最先端の技術でシステムをアップグレードし、ホールのどの席からも、これらの素晴らしいミュージシャンたちの芸術性を存分に堪能できるようにすることでした」とロバートソン氏は語ります。
相反する要求がシステム設計を左右する
映画に合わせてオーケストラが生演奏するプログラムはホールの重要な演目であり、大型の格納式スクリーンが音響システム設計に影響を与えました。アレイはスクリーンを完全に避ける必要があり、それによってスピーカーの配置は高くなり、ステージからかなり離れた場所にならざるを得ません。客席は段状に配置され、ホール全体を取り囲んでいますが、アレイが外側に吊るされるほど、上層階が下層階への音を遮ってしまいます。
TIGRAはいくつかの要件を同時に解決しました。その出力性能により、LEOPARDを用いた当初の検証案よりも少ないスピーカー数ででホールをカバーすることが可能になりました。小音量時におけるシステムの解像度は、ピアニッシモがフォルテッシモと同じくらいクリアに響かなければならないオーケストラのダイナミック レンジに適合しています。さらに、水平方向の幅が狭いスリムな形状のおかげで、アレイをよりステージ近くへ配置することが可能となり、以前の配置では届かなかった座席まで音を届けることができました。
本設置の前に行われた度重なる吊り下げテストの結果、片側のアレイ構成はスピーカー13台から12台へと変更されました。また、照明器具が音の到達を妨げる座席が特定されたため、それらの席をカバーするためにULTRA-X40スピーカーが追加されました。「私は文字通りすべての座席に油性ペンを持って座り、サイトラインと音線サウンドラインを一つひとつの座席でチェックしました」とMeyer Soundのシステム デザイン オプティマイゼーション ディレクターであるボブ マッカーシー(Bob McCarthy)は語ります。
システムの設置は、ニューヨーク・フィルハーモニックやリンカーン・センター内の他の団体と30年にわたり協働してきた実績を持つ、ニューヨークのインテグレーターサウンド アソシエイツ(Sound Associates)社が担当しました。同チームは、アレイ、各階層用のフィルスピーカー、および低域コントロール エレメントを保持するカスタム リギング ソリューションを設計しました。
オーケストラとホールに応える音響
コンサートホールは、オーケストラの最も繊細な音の響きから最も豊かな響きまでを届けるために作られており、そのため残留ノイズは残響時間と並んで部屋を定義する重要な指標となります。優れたホールはそのダイナミック レンジをどのように扱うかによって他と一線を画しており、音響拡声システムはそのダイナミック レンジを平坦化させることなく、その中で機能しなければなりません。
ニューヨーク フィルハーモニーは電気的な増幅を行わない生音で演奏しますが、デヴィッド・ゲフィン・ホールでは、トークイベント、映画上映、電子音響を伴う現代音楽、さらにはポップスやロックといったオーケストラ以外のプログラムなど、拡声システムを必要とする公演やイベントも行われます。新たに導入されたMeyer Soundのシステムは、こうした拡声が必要なイベントにおいて、高品質なサウンドを提供します。
「TIGRAで実感した大きな特徴の一つは、極めて低い音量レベルで何かを拡声しなければならない場合でも、その繊細な音のニュアンスがそのまま維持されることです」と、過去30年間にわたりリンカーン センターで数多くの音響システムを構築してきたサウンド アソシエイツ社の執行副社長であるドモニック サック(Domonic Sack)氏は語ります。その能力は、レパートリーの今後の展開にとって重要です。「新進気鋭の若い作曲家たちは、オーケストラとエレクトロニクス、そして私達がまだ耳にしたことのないようなサウンドを組み合わせた楽曲を書いています」とサック氏は言います。「今や、このホールは彼らの進化に遅れを取ることなく対応できるようになったのです」
Meyer Soundシステムは、左右のアレイに配置された24台のTIGRAラインアレイ スピーカーを中心に構成され、6台の2100-LFC低域コントロール エレメント、さらに各階層やギャラリー全体のフィル・ディレイ位置を担うULTRA-X40、ULTRA-X22、ULTRA-X42ポイントソース スピーカー、そしてステージ床面に設置され舞台の張出しに合わせて位置調整されるUP-4slimフロントフィルがこれをサポートしています。TIGRAは、Galileo GALAXYの処理機能をスピーカー本体に組み込んだGEN‑1を採用した、Meyer Sound初のラインアレイです。その他のスピーカーはGalileo GALAXYネットワークプラットフォームを通じてプロセッシングが行われます。制御とモニタリングはNebraソフトウェア プラットフォームを通じて運用されます。
先を見据えるパートナーたち
デヴィッド ゲフィン ホールにとって、成功は列ごとに測定されます。「目標は、すべての座席で優れた体験と均一な体験を提供することです」とロバートソン(Darren Robertson)氏は語ります。「1階席の2列目にいようと、3階席の3列目にいようと関係ありません。誰もが等しく最高の体験を享受する権利があるのです」
「私達はスピーカーを作り始めて以来、ずっと芸術を支援してきました。ライブ パフォーマンスを支える文化機関には後押しする価値があるからです」とMeyer Soundの執行副社長であるヘレン マイヤーは語ります。「これこそがMeyer Soundが存在する理由であり、リンカーン センターやニューヨーク フィルハーモニーはそれを可能にしてくれる最高のパートナーです」
「Meyer Soundは音響拡声におけるゴールド スタンダードを体現する存在です」とタルノポルスキー氏は語ります。「Meyer Soundの最新技術を用いたカスタムメイドの新しいシステムにより、デヴィッド ゲフィン ホールにおいて音響拡声の新たな時代を迎えられることに深く興奮しています。当ホールで美しい響きに満ちた拡声パフォーマンスがこれから長年にわたって繰り広げられることを心より楽しみにしています」



















